自分を知って、理解する

SAKAI SATSUKI

坂井 撮輝

株式会社速人

1979年、岐阜県美濃加茂市生まれ。高校中退後、家業の総合建設会社に入社し新築・リフォーム事業に従事。会社の倒産を経て静岡へ移住し、ゲームショップ副店長など多様な職を経験。2007年、名古屋のEC企業に入社しマーケティングを学ぶ。2011年に独立し、軽貨物配送業を経て2019年に株式会社速人を設立。現在は「壁掛けテレビ施工」の専門事業を展開し、業界の新しいスタンダードを築いている。

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AICHI

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ニッチな領域でトップを目指す会社

便利屋としての小さな一歩から始まった株式会社速人(そくと)は、今や「壁掛けテレビ施工」という超ニッチな分野に特化した専門企業として注目を集めています。スピードを信条に、丁寧さと誠実さを重ねる坂井さん。その原点には、自分自身を見つめ続ける覚悟がありました。

Q:株式会社速人はどのような事業を行っているのでしょうか。
A(坂井さん):現在は「壁掛けテレビの施工」に特化しています。テレビメーカーが表舞台に立つ大きな市場の中で、私たちはその裏側、つまり“設置”というニッチな領域を担っています。この仕事は、大手家電量販店や法人からの依頼が半分、残り半分は個人のお客様からの直接依頼が占めています。愛知を中心に、岐阜・三重・滋賀(琵琶湖の東側)まで出張しています。

点が線になるとき

Q:そもそも壁掛けテレビに特化されたきっかけは?
A: 最初は軽貨物配送業からの転身でした。家具や家電の配送中に「ついでに組み立てもお願いできる?」という依頼が増え、便利屋業を始めたのが原点です。その中でお客様に頼まれて挑戦したのが「壁掛けテレビ」。やってみたら面白くて、これまでの建築業や電気の知識も活かせると気づいたんです。“偶然の仕事”が、自分の天職になりました。

Q:多様な経験が今に活きているのですね。
A: そうですね。ゲームショップでの接客も、ECサイト運営でのマーケティングも、今すべて活かされています。「物腰が柔らかくて安心できる」と言っていただけるのは、ゲーム屋時代に身につけた“人に寄り添う姿勢”があるから。そして、建築現場で学んだ“現場の責任感”が、施工の正確さにつながっています。

生活の一部を創る責任を果たし続けるために

Q:御社の強みはどこにありますか。
A: 施工技術そのものよりも「お客様との関係性」だと思っています。当社では3年間の無料保証を設けていますが、正直年数にこだわっていません。5年でも10年でも、テレビを買い替える時や、地震後の点検でも、声をかけてもらえたらいつでも伺います。壁掛けテレビは生活の一部。だからこそ、アフターフォローを重ねることが本当の責任だと考えています。

Q:施工の安全性について、不安を持つ方も多いと思いますが…正直、落ちたりしないのでしょうか?
A: おっしゃるとおり、時々「地震の時に落ちないの?」などと聞かれますが、安心してください。壁の中に下地板を入れ、アンカーボルトで固定するのが基本です。エアコンの室内機と同じ原理で、柱と下地を組み合わせることで約160kgの耐荷重を確保しています。エアコンが落ちないように、テレビも落ちません。しかも私たちは“耐えるだけでなく、逃げる時間を生む構造”を意識しています。震度6が来ても、すぐにドンと落ちることはありません。まさに命を守るための仕事だと思っています。

速度をモットーに感謝を積み上げる

Q:今後、どのような展望を描いていますか。
A: 壁掛けテレビ施工で日本一を目指しています。市場はまだ50億円に満たない小さな世界。全体の90%を家電量販店が握っていますが、残りの5%、つまり「やりたかったけどできなかった人たち」に届く会社でありたいです。ホームページやSNSを通じて“安全で確実な施工”を伝え、潜在的なニーズを掘り起こしていきます。また、施工中の不安をなくすために、作業の様子をお客様に撮影してもらう「#壁チャレ」企画も準備中です。“壁に穴を開ける不安”を“安心の証拠”に変えたいと思っています。

速度をモットーに、感謝を積み上げる…その言葉どおり、坂井さんは今日もスピーディに、誠実にお客様の暮らしを支えています。テレビを壁にかける、たったそれだけの仕事と思われるかもしれない。でもそこには底知れない「人を笑顔にする技術」と「自分を信じる力」がある。それが、株式会社速人の原動力なんです。

「行動することよりも前に、意外と「自分を知る」ことが大切だと思います。自分を理解できていないと、得意も苦手も分からない。だからこそ、好きなこと・時間を忘れて没頭できることを見つけてほしい。苦手を直すより、得意を伸ばすほうが早いですから。もし困ったら、素直に助けを求めればいいんですよ。それが“自分らしく働く”ための第一歩です」