自分の軸を貫いていく

WATANABE KAZUTAKA

渡邉 一貴

名東整形外科からだケアクリニック

愛知医科大学医学部卒業後、津島市民病院で初期研修を経て、愛知医科大学整形外科に入局。旭労災病院や愛知医科大学救急救命科、人工関節センターで経験を積み、日本整形外科学会専門医・日本人工関節学会認定医として臨床・研究の両面で研鑽を重ねる。2023年、名古屋市名東区に名東整形外科からだケアクリニックを開院。「健康寿命を延ばす整形外科」をテーマに、医療と運動を融合した新しい形の地域医療を実践している。

CLOSE UP

AICHI

30

自分の身体と向き合うきっかけになるクリニック

病院というより、まるでホテルのラウンジのような空間…柔らかな照明の中にグレイを基調とした落ち着いた内装、静かに流れる空気がたしかに感じられます。ここは「名東整形外科からだケアクリニック」。院長・渡邉一貴先生が掲げる理念はただひとつ、「健康寿命を延ばす」ことです。人工関節や外傷治療の最前線にいた整形外科医が、なぜ“予防”に軸足を移したのか。その背景には、自らの身体変化を通じて得た「運動の力」への確信があったのです。

Q:クリニック名にある「からだケア」には、どんな想いが込められていますか?
A(渡邉さん): 当院のコンセプトは「いかに健康寿命を延ばしていくか」という点にあります。整形外科はケガや痛みを治す科と思われがちですが、私は“動ける身体を守る”ための診療科であるべきだと思っています。そのために運動やリハビリを通して、自分の身体と向き合うきっかけを提供していきたいと思っています。

自分の身体と向き合うきっかけになるクリニック

病院というより、まるでホテルのラウンジのような空間…柔らかな照明の中にグレイを基調とした落ち着いた内装、静かに流れる空気がたしかに感じられます。ここは「名東整形外科からだケアクリニック」。院長・渡邉一貴先生が掲げる理念はただひとつ、「健康寿命を延ばす」ことです。人工関節や外傷治療の最前線にいた整形外科医が、なぜ“予防”に軸足を移したのか。その背景には、自らの身体変化を通じて得た「運動の力」への確信があったのです。

Q:クリニック名にある「からだケア」には、どんな想いが込められていますか?
A(渡邉さん): 当院のコンセプトは「いかに健康寿命を延ばしていくか」という点にあります。整形外科はケガや痛みを治す科と思われがちですが、私は“動ける身体を守る”ための診療科であるべきだと思っています。そのために運動やリハビリを通して、自分の身体と向き合うきっかけを提供していきたいと思っています。

「治す場所」ではなく「整える場所」として

Q:建築にも強いこだわりがあると伺いました。
A: もともと建築やデザインが好きだったこともあり、病院の概念にとらわれず、自分の“好き”を反映させました。患者さんが緊張せず、リラックスできる場所にしたかったんですよね。ありがたいことに「ホテルみたい」「居心地がいい」と言ってくださる方が多く、
建物を見に来られる方や、遠方の医療関係者が見学に来られたこともあります。

Q:実際に、他県から開業を志す先生が訪れたこともあるとか。
A: はい。岡山から来られた先生がいらっしゃいまして。そのとき先生にお伝えしたのは、「まずコンセプトを明確にすること」。真似をする必要はありません。自分の信じる軸さえあれば、どんな形でも患者さんは安心して来ていただけると思っています。

Q:クリニック内にピラティスやパーソナルトレーニングの設備もあるそうですね。
A: はい。2階にスタジオを設けていて、理学療法士や外部講師によるレッスンを行っています。保険診療だけではカバーできない部分を補い、リハビリからフィットネスまでシームレスにつなぐ仕組みです。地域の方が「治す場所」ではなく「整える場所」として通えるクリニックを目指しています。

Q:先生は“医療をサービス”と捉えているそうですね。
A: はい。日本は非常に恵まれた医療制度がありますが、制度の中であっても「人に寄り添う姿勢」は欠かせません。診療の質だけでなく、空間・時間・スタッフの対応、すべてを含めて“医療サービス”だと思っています。患者さんが笑顔で帰られ、また笑顔で来ていただけること——それが私たちにとっての成果です。
スタッフにも、「医療人である前に、サービス業である」という意識を持ってもらっています。ホスピタリティを重視し、患者さんの満足を自分たちの喜びに変える文化を育てています。朝礼は毎日実施。日替わりの司会が進行し、各部署が情報共有や課題提案を行います。全員が顔を合わせる場を持つことが、良いチームづくりにつながっていると思います。

ぶれずに「からだケア」を体現する

Q:将来的な目標は?
A: 近い将来に施設を拡張し、さらに差別化できる新しいサービスを取り入れたいと考えています。まだ詳しくはヒミツですが、名東区の健康寿命を日本一にしたい…それが最終的な目標です。

手術の現場から一歩離れ、“健康を支える医療”へ…渡邉一貴先生の描く「からだケア」のかたちは、治す医療から「予防し、支える医療」へと進化しているのです。名東整形外科からだケアクリニックは、まさに新しい地域医療のハブとなっています。その中心には、「ぶれない軸」をもつ一人の医師の想いがありました。今日も名東の街で、健康寿命を伸ばす挑戦が続いています。

「ぶれない軸を持つ大人はかっこいいと思います。一本の軸さえあれば、そこから枝葉はいくらでも広がります。私自身、このクリニックをつくる過程で自分の軸を見つけました。不安があっても、信じた道を貫けば、必ず道は開けます。皆さんにも、自分の“軸”を大切にして生きてほしいですね」