つねに素直に

TAJIMA YOSHIFUMI

田島 好文

株式会社エクセル

1965年愛知県出身。高校卒業後、羽毛加工会社に就職後、電話工事業界に転身。知人からの依頼をきっかけに個人で仕事を受けるようになり、独立。1996年に有限会社エクセルテレコンサービスを設立し、後に株式会社エクセルへと法人化。通信・電気・消防設備など幅広い工事を手がけ、社会インフラを支える。

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AICHI

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通信に関わることならなんでもする会社

名古屋市中川区に本社を構える株式会社エクセルは、通信・電気・消防設備など、社会インフラを支える幅広い事業を手がけています。公共事業やNTT関連の工事を中心に、トンネルの防災設備や高速道路のカメラ設置など、人々の安心・安全な暮らしを支える現場で活躍しています。代表取締役の田島好文代表に、これまでの歩みやエクセルの強み、そして若い世代へのメッセージについてお話を伺いました。

Q:株式会社エクセルは、どんな仕事をされている会社ですか?
A(田島さん):うちは「通信に関わることなら何でもやる」会社です。通信、電気、消防設備など、本当に幅広い仕事をしています。たとえば今年は新設トンネルの防災設備工事や防災無線の整備が中心ですが、去年は高速道路にカメラを設置したり。電話工事から始まって、ケーブルテレビやLANなど、通信という言葉がどんどん広がってきました。今では“これをやってます”と一言で説明するのが難しいくらいです(笑)。

「頼まれた仕事は断らない」主義

Q:創業のきっかけはどんな出来事だったのでしょう?
A:実は、独立するつもりなんてまったくなかったんです。高校卒業後に羽毛に関わる会社に就職したのですが長くは続かず、会社を転々としておりました。24歳のときには妻と子どもが2人いて、家計のために佐川急便でバイトをしながら仕事を探していたところ、以前の取引先から「手伝ってくれないか」と電話をもらって。何度か手伝っているうちに、仕事がどんどん増えていって…気づけば30年以上経っていた、という感じですかね。最初は誰もやりたがらない現場ばかり行っていました。でも、そのおかげでいろんな仕事を経験できた。結果的に「できない仕事がない」という弊社の強みにつながっています。だから誰かに引き継いだ仕事でもなければ、人脈があったわけでもない。とにかく「頼まれた仕事は断らない」主義で続けてきた結果、今があるんです。

Q:採用を始めたのはいつ頃ですか?
A:私が26歳のときに初めて社員を雇いました。きっかけは、寿司屋を辞めたいという若者を友人から紹介されたことです。「じゃあ一緒にやってみるか」と。そこからまた人づてで仲間が増えていき、30歳の頃には6人ほどのチームになっていました。そして、流れの中でではありますが有限会社を立ち上げたという感じです。2025年の今では社員25名。創業当時から一緒にやっている仲間も全員残っています。本当に頼もしいです。10年以上勤続している社員がほとんどで、若い頃に入社した子たちも今はベテランです。業界的に人の出入りが激しい中で、ここまで長く続けてくれているのは誇りですね。みんなで補い合いながら現場を回す「チーム力」が自慢です。

現場で怖いものはない

Q:エクセルの強みはどんなところにありますか?
A:やっぱり「対応力」ですね。補欠としていろんな現場を経験してきたから、通信業界の仕事の流れをだいたい把握しています。「これやったことないので無理です」と言うことは、ほぼありません。どんな仕事にも柔軟に対応できるのがうちの強みです。そして社員の在籍年数が長いので、現場対応もなかなかに早く、チームとしての機動力もあります。

Q:いま特に注力していることはありますか?
A:“人”です。建設・通信業界全体が人手不足に悩まされています。若い世代が興味を持ちにくい業界であることも課題ですね。土日休みではない、現場が厳しい…そんなイメージを少しでも変えたいと思っています。求人の出し方ひとつ取っても、昔のように求人誌に載せるだけでは伝わらない時代です。SNSや動画など、新しい形で会社の魅力を発信しながら、「この仕事って意外とおもしろいんだな」と感じてもらえるように工夫しています。

実力、周囲からの助け、運。

Q:今後の会社の方向性について教えてください。
A:今は、無理に事業を広げるつもりはありません。お客様との関係を大切にし、今ある信頼を守ることが一番です。そのためには若手の育成が欠かせません。創業メンバーもみんな50代半ばを超えてきましたから、次の世代をどう育てるかが課題です。ただ、時代が変われば仕事の形も変わる。昔は携帯電話の工事なんてなかったけれど、今では当たり前の仕事になっています。時代に合わせて、柔軟に新しい技術を取り入れ続けていきたいと思っています。

「やれないことはほとんどない」と言い切る田島さんの姿勢には、泥臭くも誠実な現場主義の情熱がありました。決して派手な言葉では語らず、謙虚に佇む田島さん。その背中が何よりも雄弁に、働く誇りを伝えてくれます。

「特に今の若い人たちは、本当に多くの能力を持っていると思います。パソコンでもスマホでも、私たちの若い頃にはなかった知識がたくさんある。ただ、それらの魅力を生かしきれていないとも感じることがあります。大事なのは「自分の実力」だけじゃない。「周りからの助け」と、「運」。この3つが揃って初めてうまくいくと思うんです。ときには厳しい言葉の中に自分を成長させるヒントが隠れていますから、なにごとにも素直な姿勢を保つことを大切にしてほしいですね。私自身、流れに身を任せてここまで来ましたが、助けてくれる人がいたから続けられた。だから、今の若い人にも、運をつかめるように自分を磨いていってほしいです」