「セルフもいいかも」を
お客様視点から

KATO MASAKI

加藤 政樹

ホーユー株式会社

1993年にオーラルケアメーカーに入社、マーケティングを担当。ヘア関連のマーケティングに携わりたいという思いから、出身である愛知県のホーユー株式会社へ入社。以来20年間、ヘアカラーリング製品のマーケティング分野で活躍。

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AICHI

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ヘアカラーの第一線を走り続ける会社

「白髪を隠す」だけでなく、「髪色を楽しむ」時代へ。ヘアカラーの国内トップメーカーとして知られるホーユー株式会社。なかでも自宅で染められる“セルフカラー”の分野を支えているのが、加藤政樹さんです。セルフカラーをうまく取り入れることでキレイな髪を、もっと身近に。そんな想いで20年以上にわたり市場と向き合ってきた加藤さんに、ヘアカラー業界の変遷やマーケターとしての信念、そしてこれからの挑戦を伺いました。

Q:御社について、教えてください。
A(加藤さん):弊社は1905年にスタートしました。以来、ずっと家庭用とプロ向けのヘアカラーや頭髪化粧品を作っています。長年にわたってヘアカラー関係の商品を開発しており、特に市販品ヘアカラーの分野では国内トップシェアを誇ります。
2023年には創立100周年を迎えました。海外にもどんどん事業を広げたり、安全性の研究を更に進めてアレルギー分野にも挑戦したりと、常に新しいことにチャレンジしながら次の100年に向かって頑張っています。

窮地を救ったのは“文化”

Q:加藤さんがホーユーに入社されたきっかけは?
A: 元々はオーラルケアメーカーでマーケティングをしていました。髪の毛に関わる仕事がしたいという想いがずっとあって、地元・愛知にあるホーユーを紹介してもらい転職したんです。それから約20年、ずっとこの分野でマーケティングをしています。

Q:これまでの中で、最も苦労した出来事はありますか?
A: 2007年ごろ、他社が発売した商品が大ヒットして、市場の流れが一変したんですね。大きな痛手でした。ただ、ホーユーは『粉末式』『シャンプー式』『エアゾール式』など、お客様の用途に合わせて、様々な剤型のヘアカラーを開発する技術をもっていたんです。その技術をもとに、ムース状やホイップ状の新商品を開発し、数年かけてシェアを回復することができました。あの時は「研究を続けてきた文化」が本当に会社を救ったと思っています。

Q:現在の役職と、担当されている業務について教えてください。
A: ホーユーのコンシューマービジネスカンパニーにおけるマーケティング本部長を務めています。家庭で使うヘアカラー剤、いわゆる“セルフカラー”の新商品開発・商品企画を担う部門です。ドラッグストアやホームセンターで販売している白髪染め「ビゲン」「メンズビゲン」「シエロ」、そしてファッションカラーの「ビューティーン」「ビューティラボ」などの計5ブランドを統括しています。

とにかく「お客様起点で考えること」

Q:現在注力しているテーマを教えてください。
A: 今、会社としてセルフカラーリング市場の活性化を掲げています。コロナ禍以降、外出控えや白髪染め離れなどでセルフカラー市場は少し縮小しています。でも、気軽に染めたいときに自分で髪を染められる価値は、やっぱり大きいんです。「セルフもいいかも」というスローガンを掲げ、自宅で髪を染めることの心地よさや利便性を改めて伝えていきたいと考えています。

Q:マーケティング本部長として今、大切にしている考えを教えてください。
A: 私の中では、最終判断の指標が“お客様に新しい驚きを与えられるかどうか”なんです。データや市場調査ももちろん重要ですが、「商品を使ってみて驚きがあるか」「自信の持てる髪を手に入れてもらえるか」という感覚をつねに大切にしています。新しいけれど、ちゃんと生活者の暮らしに馴染むもの。それを形にするのが、私たちの仕事です。

Q:チームをまとめるうえで意識していることは?
A: とにかく「お客様起点で考えること」です。社内の都合やデザインの好みよりも、つねにお客様が何を求めているかを優先する。方針としても「ヘアカラーとヘアケアのカテゴリーで、お客様に新しい驚きをご提供し、自信のある髪を手に入れていただく」と平易な言葉で明文化し伝えています。迷った時に立ち戻れる“軸”をチーム全員で共有するようにしています。

本質的な価値を見失わない

Q:ホーユーを通じて社会にどんな価値を届けていきたいですか?
A: 髪を染めることって、すごく前向きな行為なんですよ。髪色が少し変わるだけで気分が上がったり、新しい自分に出会えたりする。そうした「小さな自己表現の力」を、もっと日常の中に広げていきたい。ホーユーは友人を意味する「朋友」です。その言葉通り、一人ひとりに寄り添うブランドであり続けたいと思っています。

「驚き」と「信頼」の両立。加藤政樹さんが語るのは、変化の激しいヘアカラー市場の中でも、“本質的な価値”を見失わない姿勢でした。伝統ある技術を土台に、新しい時代のセルフカラーを切り拓く。ホーユーの挑戦は、これからも多くの人に“自分らしさ”という彩りを届けていきます。

「愛知は“技術に立脚したものづくり”ができる数少ない地域です。どの業界・分野でも技術を基盤にした開発を続けています。たとえば昔からある技術を現代風にアレンジして、新しい価値を生み出せる人が増えれば、もっと面白い未来になると思いませんか。愛知には、そんな大きな可能性が眠ってる、そんな気がします。そしてその可能性を見つけるのは私たち自身にほかなりません。愛知で、ともに探しましょう」