使命感を持ってトップシェアへ
SUGIMOTO HIROKI
杉本 博樹
橋梁技建株式会社
1968年大阪府豊中市生まれ。高校卒業後、飲食業を経て20歳で橋梁技建株式会社に入社。設計・製造・施工の一貫体制を強みに全国の橋梁安全設備を手がける。2008年に代表取締役に就任。「顧客満足、社員さん満足で地域貢献」という理念を掲げ、現場の安全文化を徹底。製造会社のM&Aや海外法人Kyoryogiken Vietnam の設立など事業を拡大し、100年永続企業・100億円企業を目標に掲げる。
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AICHI
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橋の安全を支えるトップシェア企業
高速道路や橋の上を走るとき、誰もが安心してその道を使えますよね。その「当たり前の安全」を支えているのが、橋梁技建株式会社です。橋の排水装置や点検通路など、安全を守る設備を現地測量から設計、製造、取付けまで一貫して行う同社は、全国でも珍しい“橋梁安全設備の専門企業”。
「私たちは“黒子”の仕事。でも、社会の安心をつくる誇りがあります」そう語るのは代表取締役の杉本博樹さん。安全・人材・そして未来のために挑戦を続けるリーダーの言葉には、現場で磨かれた誠実さと人間味があふれていました。
Q:橋梁技建はどんな会社ですか?
A(杉本さん):一言で言えば、“橋を支える安全設備”の会社です。橋そのものを作るのではなく、橋を「安全に保つ」ための橋水装置や点検通路などを現地測量から設計、製造、取り付けまで一貫して手がけています。この業界では、営業・設計・施工を別々の会社が担うのが一般的でした。しかし私たちは、それをすべて自社で完結できる体制を築き、納期や品質をコントロールできるようにしております。全国的にも同業で完全に競合する会社はほとんどありません。ニッチな分野ですが、その中で“トップシェア”を確立していることが強みです。
「私たちは“黒子”の仕事。でも、社会の安心をつくる誇りがあります」そう語るのは代表取締役の杉本博樹さん。安全・人材・そして未来のために挑戦を続けるリーダーの言葉には、現場で磨かれた誠実さと人間味があふれていました。
Q:橋梁技建はどんな会社ですか?
A(杉本さん):一言で言えば、“橋を支える安全設備”の会社です。橋そのものを作るのではなく、橋を「安全に保つ」ための橋水装置や点検通路などを現地測量から設計、製造、取り付けまで一貫して手がけています。この業界では、営業・設計・施工を別々の会社が担うのが一般的でした。しかし私たちは、それをすべて自社で完結できる体制を築き、納期や品質をコントロールできるようにしております。全国的にも同業で完全に競合する会社はほとんどありません。ニッチな分野ですが、その中で“トップシェア”を確立していることが強みです。
安心して働ける仕組みを
Q:社長に就任してから特に印象に残っている出来事は?
A:就任1か月後に、初めての重大労働災害が起きました。そのとき、「運が悪かった」と思う自分がいたんです。でも、それは違う。安全を軽んじてはいけないという“戒め”だと気づきました。以来、行動指針の第一に「安全がすべてに優先されることを理解し、災害ゼロを目指す」と掲げ、毎朝の朝礼で全社員が唱和しています。あの出来事があったからこそ、会社全体の安全意識が変わったと思っています。
Q:現在、特に力を入れている取り組みは?
A:人材の確保です。国内だけでは人手が足りない時代が間違いなく来る。だから、ベトナムやミャンマーなど海外の優秀な人材を積極的に採用しています。その一環として、ベトナムに設計会社「Kyoryogiken Vietnam」を設立しました。日本で働くベトナム人エンジニアたちは、いつか親の介護などで帰国しなければならない時が来ます。その時に帰る場所がないと、安心して働けません。彼らが母国でも仕事を続けられる環境を作れば、社員も会社もウィンウィンの関係を築けます。人が安心して働ける仕組みをつくる、それが今の自分の使命だと思っています。
A:就任1か月後に、初めての重大労働災害が起きました。そのとき、「運が悪かった」と思う自分がいたんです。でも、それは違う。安全を軽んじてはいけないという“戒め”だと気づきました。以来、行動指針の第一に「安全がすべてに優先されることを理解し、災害ゼロを目指す」と掲げ、毎朝の朝礼で全社員が唱和しています。あの出来事があったからこそ、会社全体の安全意識が変わったと思っています。
Q:現在、特に力を入れている取り組みは?
A:人材の確保です。国内だけでは人手が足りない時代が間違いなく来る。だから、ベトナムやミャンマーなど海外の優秀な人材を積極的に採用しています。その一環として、ベトナムに設計会社「Kyoryogiken Vietnam」を設立しました。日本で働くベトナム人エンジニアたちは、いつか親の介護などで帰国しなければならない時が来ます。その時に帰る場所がないと、安心して働けません。彼らが母国でも仕事を続けられる環境を作れば、社員も会社もウィンウィンの関係を築けます。人が安心して働ける仕組みをつくる、それが今の自分の使命だと思っています。
安全を守り続ける黒子として
Q:人材育成や組織づくりで大切にしている考え方は?
A:トップダウンではなくボトムアップの会社にすることを意識しています。社長が右だ左だと指示を出すのではなく、社員一人ひとりが考え、行動する会社でありたい。もし私が前に出すぎると、社員の成長を奪ってしまいます。だから今は、“先の仕事”を意識しています。たとえば海外展開やM&Aなど、数年先の種をまく仕事を私が担当し、今の実務は社員が主体的に動いてくれています。頭の良し悪しではなく、「誠実に、ひたむきに向き合えるか」が優秀さの基準だと私は考えています。実際、弊社の社員は本当に優秀です。決められたことを地道にやりきる力が、まさに会社を支えています。
Q:社会貢献の活動として、海外での浄水装置の設置も行っているとか。
A:はい。安全な水を飲めない地域に、簡易的な浄水装置を設置しています。1か所あたり2,000万円ほどのコストで、数千人に飲料水を届けることができる。私たちの本業は、高速道路や橋の安全を支える“黒子”の仕事。使う人から「ありがとう」と直接言われることはまずありません。だからこそ、この浄水装置のプロジェクトでは、現地の人々の喜ぶ顔を見ることが、社員の心を潤す機会にもなっています。自分たちの技術が人の命を守り、笑顔につながる…それを実感できる活動を、これからも続けていきたいですね。
A:トップダウンではなくボトムアップの会社にすることを意識しています。社長が右だ左だと指示を出すのではなく、社員一人ひとりが考え、行動する会社でありたい。もし私が前に出すぎると、社員の成長を奪ってしまいます。だから今は、“先の仕事”を意識しています。たとえば海外展開やM&Aなど、数年先の種をまく仕事を私が担当し、今の実務は社員が主体的に動いてくれています。頭の良し悪しではなく、「誠実に、ひたむきに向き合えるか」が優秀さの基準だと私は考えています。実際、弊社の社員は本当に優秀です。決められたことを地道にやりきる力が、まさに会社を支えています。
Q:社会貢献の活動として、海外での浄水装置の設置も行っているとか。
A:はい。安全な水を飲めない地域に、簡易的な浄水装置を設置しています。1か所あたり2,000万円ほどのコストで、数千人に飲料水を届けることができる。私たちの本業は、高速道路や橋の安全を支える“黒子”の仕事。使う人から「ありがとう」と直接言われることはまずありません。だからこそ、この浄水装置のプロジェクトでは、現地の人々の喜ぶ顔を見ることが、社員の心を潤す機会にもなっています。自分たちの技術が人の命を守り、笑顔につながる…それを実感できる活動を、これからも続けていきたいですね。
自分の解釈力を磨く
Q:会社として掲げているビジョンを教えてください。
A:「100年永続企業」「100億円企業」を目指しています。そのために、財務体質の強化、製造会社のM&A、そしてホールディングス化などを進めています。これはただ数字の目標だけではありません。人が育ち、思い(念い)が続く会社であること、これが本当の“永続”だと思っています。日本の社会インフラはこれから老朽化が進み、補修や更新のニーズが増えます。だからこそ、次の世代に誇れる会社を残していきたいですね。
杉本代表が語る「安全」「人」「未来」への思いには、現場のリアルと経営者としての覚悟が詰まっています。100年先も安心して橋を渡れるように、今日も橋梁技建は“縁の下の力持ち”として、誠実に挑戦を続けています。
「仕事を選ぶとき、ほとんどの人は自身の好きなこと、やりたいことで決めようとしますよね。でも実際、好きなことを仕事にできる人はごくわずか。大切なのは「今の仕事をどう解釈するか」なんです。どんな仕事にも意味があり、必要とされているから存在している。自分はこの仕事をするために生まれてきた…そう覚悟を決めれば、どんな仕事も必ず楽しくなりますから。自分の“解釈力”を磨き、使命感を持って働くこと。それが、どんな時代でも幸せに働くための一番の近道だと思います」
A:「100年永続企業」「100億円企業」を目指しています。そのために、財務体質の強化、製造会社のM&A、そしてホールディングス化などを進めています。これはただ数字の目標だけではありません。人が育ち、思い(念い)が続く会社であること、これが本当の“永続”だと思っています。日本の社会インフラはこれから老朽化が進み、補修や更新のニーズが増えます。だからこそ、次の世代に誇れる会社を残していきたいですね。
杉本代表が語る「安全」「人」「未来」への思いには、現場のリアルと経営者としての覚悟が詰まっています。100年先も安心して橋を渡れるように、今日も橋梁技建は“縁の下の力持ち”として、誠実に挑戦を続けています。
「仕事を選ぶとき、ほとんどの人は自身の好きなこと、やりたいことで決めようとしますよね。でも実際、好きなことを仕事にできる人はごくわずか。大切なのは「今の仕事をどう解釈するか」なんです。どんな仕事にも意味があり、必要とされているから存在している。自分はこの仕事をするために生まれてきた…そう覚悟を決めれば、どんな仕事も必ず楽しくなりますから。自分の“解釈力”を磨き、使命感を持って働くこと。それが、どんな時代でも幸せに働くための一番の近道だと思います」